act2
<latter volume>
とりあえず千鶴さんより説明を受けた俺は、セイカクハンテンタケの効果などの事情を理解した。
しかし、それからが大変だった。
異様に内向的になった梓ちゃん、レミィ、志保はいいとして、琴音と初音ちゃんに手を焼いたのだ。
「わらわの臣下になれることを幸福に思うが良い」
「へへーっ、女王様ぁー」
「どうでもいいね……」
「臣下になればいいのかしら……私はそうすれば……」
今のは琴音、梓ちゃん、レミィ、志保の順だ。
琴音は女王様になっている。言葉づかいも妙だ。
梓ちゃんは異常に従順というか、腰が低い。
レミィは異常に無気力で、物事を悪い方向へ考えやすくなってるようだな。
志保は小声で自己を反省し続けている。いつもがいつもなだけに異様だ。
それはそれとして、なんだか変な方向で話がまとまっていってるな……
しかし、その中でも琴音に従わないものが一人だけいた。
「だれが思うかぁーっ!」
初音ちゃん……いや、あまりにも違いすぎるので、裏初音と呼ぼう。
裏初音だけは反抗の意志をありありと示す。
「愚かな……」
「誰がだ……うらぁっ!」
裏初音は近くの湯のみをつかむと琴音に向って投げる。
「ふっ…」
しかし湯のみはスライダーのごとき軌道を描き、大きく外れる。
「ちっ!」
「ほーっほっほっほ、ノーコンじゃのう」
琴音……いや、これもあまりにも違いすぎるので、女王琴音と呼ぼう。
今のは外れたんじゃなくて、外したんだろ。
「うるせえ! ならばこれだぁっ!」
裏初音は机の端をつかむ。そして……
「うらぁっ!」
あ、あれは幻の技、ちゃぶ台返し!
しかし琴音は後ろに跳び引いてかわす。
がっしゃあああぁぁあぁん!
太古の昔より決定していることだが、ちゃぶ台返しのあとは混乱と後片付けが残るのである。
しかし裏初音はその混乱に乗じ、女王琴音に一飛びで近づく。
「うらうらぁっ!」
「無駄じゃ」
裏初音の拳は、女王琴音が差し出した手のひらの数ミリ前で止められた。
だが裏初音は怯まず続いて拳を繰り出す!
「うぅらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらぁっ!」
「無ゥ駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄じゃぁっ!」
どこかで見たような構図でマッハの拳の応酬が続いたが、双方の拳は相手に触れることができない。
とりあえず間合いを取る裏初音。だが、それを見て女王琴音の目が光る。
「!」
裏初音の動きが停止する。文字通り微動だにしない……いや、出来ない。
超能力で動きを停止させているのだろうが、その様は時間を停止させているようだ。
「ほっほっほ、てこずらせおって」
「…………」
裏初音は微動だに出来ない。
……いや、少し動いたようだ。そしてその動きは少しずつ大きくなり、そして全身が動き出す。
「な……なんじゃと」
「うらぁっ!」
自由を取り戻した裏初音は女王琴音に襲いかかる。
やばい! 女王琴音は驚きもあり、動けないようだ。
ちっ! しゃあねぇな、やれやれだぜっ……
「やめろ! 二人ともっ!」
俺が駆け寄ろうとした。瞬間だった。
裏初音はぴたりと動きを止め、ゆっくりと崩れ落ちる。
それとほぼ同時に琴音も同じくゆっくりと崩れ落ちる。
「初音っ!」
「琴音っ!」
初音ちゃんは千鶴さんと楓ちゃんが、琴音は俺が駆け寄りその体を支える。
俺は琴音の様子を伺ったが……これはもしかして……
「藤田さん……」
「千鶴さん、楓ちゃん、これって……」
俺は千鶴さん達の方を向き、もしかしたら……と視線を送る。
それに対して千鶴さんも楓ちゃんもこくんと頷く。 すなわち……
「二人とも寝ている……」
三人の声がみごとにハモった。そして残されたのは……
「うるうるぅ、女王様ぁーっ」
「別に大して構わないね……」
「私が加勢しておけばよかったの? でも、そうしたら……」
この三人と茶の間の片付けだった。
そしてそれから数時間後……
皆は暴れ疲れて寝てしまった琴音と初音ちゃんを含めて夜も遅いこともあり、とりあえず寝ることにした。
残りの3人を寝かせるのに、楓ちゃんが睡眠薬入りと思われるお茶をふるまったのだ。
セイカクハンテンダケの効能は数時間程度で消えるらしいし、寝させればこれ以上の問題は起きないだろう。
そして千鶴さんの好意により(というか贖罪か)俺達も柏木家に泊めてもらったのだが……
そして翌朝、早朝……
隣で寝ている琴音の体がぴくりと動く。
そして、ゆっくりと琴音の目が開く。
「う……ん……浩之さん……」
「起きたか? 琴音」
「……はい」
琴音は起きながら笑顔を見せる。しかし、そのあと考え込む仕草を見せる。
ま、記憶が無いことを不安に思っているのだろう。俺はその頭をくしゃっとなでる。
「浩之さん……」
「全て説明する。 もう少し休んでから茶の間に行こう」
「はい」
俺の言葉、それだけで琴音は笑顔を取り戻す。
千鶴さん達からこういった経緯も聞いてはいたが、琴音が元に戻っていることを確認できたこと。
そして琴音の俺に対する信頼を実感したことで、幸せな俺であったが……
「あ"あ"あ"あ"ぁぁぁぁっ!」
奇妙な叫び声が朝の静寂の空気を切り裂く。
「な、なんでしょうか?」
「今のは梓ちゃんの声だな。 行ってみよう!」
俺達は走って梓ちゃんの部屋まで移動する。
そして扉を開けると、そこには立ったまま寝間着姿で放心状態の梓ちゃんがいた。
「梓ちゃん! どうした?」
「胸が……胸が……」
「ヒロユキ? どうしたネ」
「梓おねぇちゃん……どうしたのぉ」
「レミィ、初音ちゃん。 いや……ってぇ?!」
俺は背後、即ち部屋の入り口よりかかったレミィと初音ちゃんの声に振向いたつもりだった。
しかし俺の目の前にはレミィなバディの初音ちゃんと、初音ちゃんな体型のレミィがいる……
体型のみではなく、背まで入れ替わったかのようだ。
「あの……レミィ、初音ちゃん、自分の体を見てみた?」
「体? …………OH!」
「からだ?…………あれ、あれ?」
レミィと寝ぼけまなこな初音ちゃんは改めて自分の体を見て驚く。
「ふわぁ〜、ヒロぉ? ど〜したの〜」
「梓姉さん……うるさい」
「志保、楓ちゃん……は普通だな」
今度は志保も楓ちゃんも体格に変化が無い。かく言う俺もそして琴音も変化は無いのだが。
どうやら、いや恐らくだが、俺にある推論がひらめいた。
性格を反転させるセイカクハンテンダケ、そしてもう一つの……
「琴音、一つ聞いていいか?」
「はい」
「昨晩の茶碗蒸しの具ってなんだった?」
「えっと……かまぼこ、銀杏、鶏肉、椎茸、海老、それに……」
「それに?」
次の言葉は、やはり俺の推論を裏付けるものだった。
「竹の子です」
「胸が……また千鶴姉並みになってるううううっ!」
琴音のセリフに梓ちゃんの絶叫が重なって響いた……
場所は移って茶の間。
座ってとりあえず皆を落ち着かせることにする。
皆? あ、そう言えば……
「千鶴さんはどうしたんだ?」
「そう言えば……まだ起きてこられないのでしょうか?」
皆かぶりを振る……いや、一名だけ体を振るわせ、怒りのオーラを発する者がいる。
「ふっふっふっふっふ……千ぃぃぃ鶴ぅねえぇぇぇぇ、今度こそ許さねぇ!」
梓ちゃんはすっくと立ちあがると、凄まじい勢いで駆け出す。
そして慌てて追いかける俺達に先じ、千鶴さんの部屋へと入る。
その後を追いかけた俺達が見たものは、開け放たれた窓と梓ちゃんしかいない室内だった。
しかし室内には奇妙な足跡が複数あるが……
「梓ちゃん! どうしたんだ?」
梓ちゃんは、無言で掴んでいる一枚のメモの切れ端を俺に渡す。
「千鶴姉…………逃げやがった」
……そこには『北へ。』とだけ書いてあった。
そして再び茶の間。
ちょっと早めの朝食がてら、今回の事件の総括を行っていた。
それのついでに、梓ちゃん達から千鶴さんの前回実績……セイカクハンテンダケ騒動とタイカクハンテンダケ騒動の話を聞いた。
しかし、皆の体格はまだそのままだ。 けっこう目のやり場に困る。
どうやら体格反転というだけあって、平均的だったりバランスがとれている体格だとあまり変化しないらしい。
だから琴音と志保には見かけ上影響が無かった、と言うわけだな。
ちなみに体格が反転して一番喜んでいるのはレミィだ。
「スリムでハンティングしやすいネ」とか言っているが……(汗)
「ところでヒロぉ、私ほんとにそんな性格になったの?」
「ヒロユキ、私もネ?」
「浩之さん……ごめんなさい」
「ああ、まぁそれはそれで面白かったしな……しかし、本当に千鶴さんはいいのか?」
「いいの!」
「千鶴姉さんならば大丈夫です」
「うん、前のときも無事に帰ってきたし……」
梓ちゃんは行方不明になっている千鶴さんを「逃亡した」と言っている。
まぁ前回実績……タイカクハンテンタケ騒動からすれば、確かにそうかもな。
「ところでさ、あんた宝物探すのって得意なんだろ?」
「ああ、もちろんだ」
「だったらさ、この家からあんな危険なもの、全て探し出して処分して欲しいんだ」
「梓姉さん、自分には良いことないから……」
「楓、何か言ったか?」
ふるふるふるふる……
楓ちゃんはおかっぱの髪の毛を広げる勢いで頭を振る。
「それは全然構わないけどな。 処分ったって貰って行くけど?」
「もちろん。 今度こそ徹底的に駆除してやる」
「ではちょっと探索させてもらうとするか、琴音」
「はい」
では、あれも確かめねえとな。
おそらく……勘だが、今回の騒動の真相解明に重要な気がする。
「あ、あと楓ちゃん」
「はい……」
「家の中、案内してくんねーかな?」
「…………はい」
そうして俺達3人は茶の間を離れる。
廊下を進み、茶の間からだいぶ離れてから俺は歩みを止める。
「楓ちゃん、ちょっといいか?」
「……はい」
「あの時の『もしかしたら』って……」
すなわち茶の間の惨状を目の前にして、千鶴さんが呟いた時。
その時、同時に同じ言葉を呟いたのが楓ちゃんだった。
「…………ついて来て下さい」
楓ちゃんはしばらく考え込んでいたが、決意したのか俺達を案内する。
そして案内された先は、楓ちゃんの部屋の中だった。
「…………」
楓ちゃんは無言で押し入れの戸を開ける。
そこには様々な実験や調合の器具と珍種の植物等の干物などがあった。
さらには調合済みと思われる小瓶……『強力睡眠薬(習慣性無し)』とか書いてある瓶が十数個ある。
その様は漢方薬の化学実験室のようだ。
「すごいですね……」
「ああ、これは一体……」
第1話同様、あっけに取られる俺達を置いて楓ちゃんは何かを取り出して俺の前に差し出す。
それはキノコとタケノコをスライスの真空パックにしたのと、同じく干物にしたものだ。
「これで全部です。ちょっと足りませんけど……」
「楓さん、これは……」
「セイカクハンテンタケとタイカクハンテンタケ、だな」
こくん……と楓ちゃんは頷く。
そして楓ちゃんは、静かに事件の真相について語り始めた。
それを要約すると、こういうことだ。
千鶴さんははりきって料理しようとしたが、志保達のせいで材料……それも茸と竹の子が足りなくなった。
前回同様、刃物を持ったことによるトリップに加え、あせりで我を見失った千鶴さんは嗅覚と運動神経に全神経を集中し、最も近くにあるキノコとタケノコ……
すなわち、楓ちゃんの部屋から風のごとくこれらの一部を持っていった。
嗅覚のみ使用していたため視覚等は働かせていないし、我を見失っていたので記憶も無い。
そして不足分を手にした千鶴さんは台所で正気を取り戻し、調理を続行した……という訳だ。
そこまで説明すると、楓ちゃんは再び黙ってしまう。
ふむ、なるほど。 そうなると楓ちゃんが戻ってくるのが遅かったのも納得出来る。
試験用具を取ろうとしたのだが、材料を置いてあるところが荒らされているのを見て、状況をチェックしていたのだろう。
「……それを渡すのにお願いがあります」
長い沈黙の後、楓ちゃんは少し俯きながら再び話し出す。
「なんだい、楓ちゃん」
「この研究は決して人に危害を加えようとしているのではありません……ですから」
楓ちゃんは俯きながら、しかし涙を潤ませ語る。
「楓さん……」
「このことは……誰にも……」
「なんのことだかな」
「!…………」
楓ちゃんは顔を上げ、表情をあきらめのそれへと変える。ちょっと誤解しているようだな……
ま、俺の真意を理解して、いま横で微笑んでいる琴音じゃねぇしな。
しょうがねぇな、ったく。
「俺達は、床下で干物になっているこれらを見つけたんだ。研究ってなんだっけ?」
その翌日。来須川魔導博物館、館長室……
俺達は毎度のことながら宝物の確認ついでに、報告と土産がてらセンパイとあかりと委員長に今回の騒動を話して聞かせていた。
「…………」
「それからどうなったかって? それはだな……」
そして俺達はそれらの一部だけ貰って、あとは楓ちゃんに返した。
厳重に管理することが条件だったが、楓ちゃんは涙を浮かべた微笑みで約束してくれた。
それから俺達は茶の間に戻り、俺は推論を述べた。
もちろん干物があったのは床下だった、と一部変えてだが。
真空パック分は見せなかったが、干物分は証拠として見せた。
それから……
千鶴さんは今回の責任を取って台所永久追放処分となり、台所に入ることすら出来なくなった。
しかし、函館市内での目撃証言を最後に消息を絶っている。
梓ちゃんは鬼のごとく家の床下を探して他にないか確認し(もちろん無かったが)、
楓ちゃんは俺達に対して微笑みを見せてくれるようになり、
初音ちゃんはちょっと残念そうだったが安心してくれ、
志保は「こんな騒動は2度とごめんよ」と早々に退散し、
レミィはちょっと惜しそうだった。
しかし一番大変だったのは、性格が反転している間のことを、物凄く気にする琴音の説得だったのは言うまでも無い。
「でも浩之ちゃん、千鶴さんも可哀想だね」
「そうか?」
「そうだよ。 多分、好きな人の為に料理したかったんじゃないかな」
「そうですね。 私達を招待したのも、その練習の口実だったのではないでしょうか」
「ま、そんなもんかな。 しっかし女心ってのは難しいものだな」
「そうや。女は結構怖いんやでぇ」
「そうだよ、くすくす……」
「はい、くすくす……」
こくん……
ひとしきりの笑いが納まった後、センパイは口を開く。
「…………」
「へぇ、そうなんだ。柏木家と来須川家がセンパイの祖父以来の親密な仲とはねぇ」
こくん……
「ってことは、両家間で多少の問題が起きても、無かったことに……ってことか」
こくん……
「それは今回の騒動でも……ってことだな」
…………こくん
やれやれ……ま、今となってはいいけどな。
変化した体格も1日位で元に戻り、全ては丸く収まったし。
そうして俺達の今回の依頼も、完遂されたのであった。
…………そういえば、なんか忘れてねぇか?
『ではニュースです。 北海道の大雪山で雪女の目撃が相次いでおります。その姿は黒髪の長い美しい女性で、冷気を発し……』
<for the present act2 over>
とりあえず やっぱりあるよ 後日談
字余り
その1『ちょっと前のお話……』
浩之たちが泊っている深夜、鶴来屋の露天風呂。その女湯の入口……
「鍵はかかってないのに扉が開かないネ〜!」
その2 『それから結構後になりますが……』
「……という訳です、会長」
「はい、足立さん。 よろしくお願いします」
ここは鶴来屋の会長室。 私は足立さんと定例の打ち合わせをしていた。
最近は異様に忙しい。 仕方ないわよね、失踪しちゃったのだから……
「それと足立さん。今度の宿泊者10万人記念のイベントですけど、まだ未定ですか?」
「そうですねぇ。会長、いいアイデアありませんか?」
いいアイディア……そうだわ。
「では、来訪記念で一般価格でスイートルームというのは?」
「いいですね、そうしましょう」
「あとですね……その……あの……」
「なんですか、会長」
「私の手作り豪華弁当……というのは駄目でしょうか?」
家の台所は梓のせいで使えないし、これなら鶴来屋の厨房が使えるわね。
「それなら……うふふふふふふ…………」
「ち、ちーちゃん……」
その3『こんなオチですが……』
それから数日後
魔導博物館、廊下……
どしーん!
「はわわわわっ! ごめんなさいですー! お怪我はありませんか?」
こくん……
通路が交差するところでマルチと芹香は衝突し、二人とも倒れた。
あたりには、マルチが買い物してきた野菜等が散乱する。
「す、すいませーん。いそぎますのでー!」
マルチは床に散らばった買い物袋の中身を集めて、再び駆け出す。
そして向う先は職員の昼食を作っている調理場である。
「あかりさーん、買って来ましたー」
「あ、マルチちゃん。 ありがとう、それはここへお願い」
「はいー」
「じゃぁ、この鍋を見ていて」
「わかりましたー」
マルチに鍋をまかせ、あかりは買い物袋を確かめる。
「ええっと、人参に、里芋に……」
実は材料が少しだけ足りなかったので、マルチに買出しに行ってもらったのだ。
ちなみに足りなかったのは筑前煮の材料である。
「椎茸に……あら、タケノコ? それに珍しいキノコ」
あかりは考え込む。 注文していないものだからだ。
だが、もうすぐ昼休みというあせりと、昼飯を作っている最中の厨房という戦場の空気が正常な判断を出来なくする。
「マルチちゃん、おまけしてもらったのね。 よし、一緒に使おう。急がないと……」
一方残された芹香は、いままで持っていたセイカクハンテンタケとタイカクハンテンタケが無いことに気付いていた。
だが、そこらへんをもそもそと探しているだけであった。
それからしばらくして、昼休みの食堂……
「葵、しっかり食べるのも修行の内よ」
「はいっ! 綾香さん」
「そうネ、食う子は育つって言うネ」
「それを言うなら、寝る子って言うんや」
「はぁ〜、23時間ぶりの御飯だぁ〜」
「あかりちゃん、昼御飯できたかい?」
「うん、なんとかね。 じゃ、たくさん食べてね」
「神岸さーん、おれらの分は〜」
「くすくす、もちろんありますから。ならんで下さい」
「「おおっ!」」
この後の惨事が、魔導博物館の裏の歴史書に特別大きく取り扱われたのは当然であろう……
そのころ芹香は……
「…………」
きょろきょろ……もそもそ……
まだ探していた。
その4『さらにその後……』
それから十数分後、いまだに探しつづける芹香。
そこへ来たのはトレイで昼食を持ってきたセリオである。
「……芹香館長、お食事をお持ちしました」
「………………?」
「現在、食堂付近は混乱しています。事態の分析と収拾まで館長室に退避していて下さい」
「…………」
「はい、ご希望の通り皆さんと同じものです。毒性の物質は検出されておりません」
「…………」
「わかりました。では、館長室に置いておきます」
そして芹香はセリオの後を追うように、ゆっくりと昼食の為に館長室に向うのであった。
<Realy now ture over >
あとがきと 書いてはみても いいわけだ(自爆)
どうも、初のシリーズ物を書いたしゃむてぃるです。
最近自爆癖がついています。(自爆)
っていうより、本性丸出しなだけですねぇ。(自爆)
今回の宝物は第1話のバレバレの予告通り、セイカクハンテンタケとタイカクハンテンタケです。
2つっていうのが少し引っ掛けですけど。(笑)
しかし、我ながらひどい展開……(苦笑)
第1話と違ってほとんどギャグ調だし。
実は浩之達が梓に追い返されてから、そこからが全く書けなくなりました。
大体のあらすじは決まっているのですが、具体的に固まらない。
そして全然侵攻、じゃなくて進行しなくなった……(←なったじゃねえって)
その間、北海道行きたい病が重症化し「北へ〜♪」とか歌い、セリカでラリーをしたり、
さらには仕事鬼の続編制作を決定してしまったり……
このように、さらに問題が深刻化しました。……って全部自業自得やん!(自爆)
って、ああまた自爆を……
その硬直した事態を打破したのは、カワウソさんの編集と樹さんの回答のおかげです。
カワウソさん、いつもながらありがとうございます。いろいろ使ってみました。
樹さん、アドバイスありがとうございます。 おかげで書き上げることが出来ました。
いぬいさん、『一年後の柏木家の食卓』の設定の使用許可、ありがとうございます。
あと例のシーンはあんなもんでいかがでしょうか? ラブラブですぜ、だんな。(笑)
おかげで二週間以上筆が進まなかったのが、一日半で残りを書けました。
皆さん、あーりーがとうございますぅーっ!(感涙)
さてさて、次の第三話予告……
今回のギャグ調とは違い、だいぶシリアス入ります。
過去のお話……すなわちTH本編とこのトレジャーハントメン(略字:THmen)をつなぐ話。
なぜ、浩之と琴音はトレジャーハンターになったのか。
第1話にあらすじは出てますけど、詳細ってところです。
あと、私の琴音考……なぜ不幸の予知を出来たのか、したのか。といったところです。
超能力に関しては専門外ですので、そこは期待されないよう。(笑)
更には、何故過去編が第1話で無いのかという裏事情も……(自爆)
ではでは、第三話でお会いしましょう……でもいつになるやら。(自爆)
あとがきの蛇足
はぁ、やれやれ。やっとこみパとKanonが出来るよ……
って仕事鬼の続編書かないといかんやんけ!(自爆)
ああああ裏口のカウントが増えていくよう……(泣)