さて、恒例の後日談、というより後時談
 

1.パーティの席、その端で蠢く影……

「理緒ねーちゃん、ほんとにいいのか」
「いいのよ……アルバイトだけど。腹一杯、さらに圧縮して3杯食うのよ!」
「おおぅ!」
「では……とっかーーん」

 だっ!

(吶喊:とっかん  歩兵の突撃時のときの声、掛け声、号令)

 ……べちゃ

 やはりこけた。
 
 

2.パーティの席……

「藤田様……」
「なんだ? 長…」
「かああああっ! ……セバスチャンでございます」

 変わんねぇな、このじじいも……もしかして一番変わっていないんじゃないか?

「で、なんだよ」
「その首にかけているお守りを見せて頂きたいのですが……」
「これか? いいぜ」

 俺は古ぼけたお守りを長……セバスチャンに手渡す。
 するとセバスチャンはぶるぶると震え出す。

「お、おい、とうとう…」
「藤田様、これをどこで……」
「え? これってお守りか? 師匠に貰ったんだけど……」

 セバスチャンは震えをとめ、すっくと姿勢を正して話す。

「その老人は私の父です。消息不明……というより気ままに各地を冒険していましたが」

 …………道理で化け物じみている訳だ。仙人を地で行くジジイだったからな。
 
 
 

3.そのあと、パーティの席。会場にあるベランダ……

 俺は外の冷気でほてりを冷ましていた。

「ふぅ……」
「浩之、酔ったのかい?」

 そういって室内から出てきたのは、逆光だけど声でわかる。雅史だ。

「んだよ。お前も酔ったのか?」
「ははっ、まぁね」

 そう言いながらいつもの調子だ。ま、こいつはこんなんだけどな。

「浩之」
「ん? なんだ?」
「今回も危ない目にあったんだって?」
「ああ、そうだけどよ」
「それで宝はたいしたこと無かったんだって?」
「しぃーほぉーのーやろー」
「はははっ、相変わらずだね」
「お前もな」

 一呼吸置いて、雅史は本題を切り出す。

「浩之、落ち着く気はないかい?」
「んだよ……その話か」

 何度も聞かれていることだ。この博物館で働かないか?ってことだが……

「館長も出来ればといっているし、椅子は確保するよ」
「サラリーマンはなぁ…」
「うん、わかっている。独自性は持たせるよ」

 はっきりいって良すぎる話しだとは思う。しかし……

「危険は無いし、あかりちゃんも心配しているし…」
「雅史……」
「なんだい?」
「琴音を狙うやつらがいなくなった訳じゃない……」
「うん……」

 流石にマスコミなどの大部分は冷めたが、一部のカルト的な連中や諜報部ってやつらは、細々ながらまだ継続しているに違いない。

「話はうれしい。だが琴音が狙われる以上、どこにも落ち着く気は無い」
「そうか、ごめんね浩之。……それに姫川さん」
「ああ……ってぇ?」
「いや藤田さん、かな?」
「まぁーさぁーしぃー、てめぇー」
「ははっ、じゃ待っているからね」

 それだけ言い残し、雅史は部屋の中に引っ込んでいった。
 そして、テラスの入り口に逆光で立つ影……声が無くともわかる最愛の人。
 俯いたまま、動かず声も出さないその影を手招きして呼び寄せる。

「浩之……さん、本当…に……」

 顔をあげないで喋る琴音。
 琴音の前ではしないようにしてきたんだがな、この話は……
 しょうがねぇな、ったく。

「琴音、二度は言わねぇぞ」
「え……?」
「一番は何か、忘れたんじゃねぇよな」
「………………はい」

 さらに俯く琴音のあごに指を掛け、すこし上を向かせる。
 そしてすこしの時間、そのままでいると琴音は瞳を閉じ雫をこぼし、そして……

「……って、なに見てるっ!」

 室内ではみんながこっちを凝視している。
 …………文字通り、凝視している。(汗)

「はわわわわっ、ごめんさいですー」
「いいじゃないの、ヒロ。減るもんじゃないし」
「…………」
「そうよ、姉さんも構わないって言ってるわよ」
「一気呵成ネ、ヒロユキ」
「もぐもむむぁ」(大丈夫よ)
「あと35.4mmでした。推定所要時間は……」
「私めも若いころは…(以下略)」
「なんや、銭取るわけやないんやろ?」
「浩之さん、琴音ちゃん、ファイトです」
「がんばってね、浩之、姫川さん」
「そうだね……頑張ってね。浩之ちゃん、琴音ちゃん」

 まったく、こいつらは……

「ったく、しょうがねぇな…………って、んな訳ねぇだろ!」
「きゃぁ〜、逃げろ〜っ」
「浩之、大人げないわよぉ〜」
「うるせい! 覚悟しろっ」

 みんなクモの子を散らすように逃げ出す。俺は琴音の手を引いて追いかける。その最中……

「琴音……一つだけ悩みがあるんだ」
「……浩之さん」

 俺のちょっと真剣な声色に琴音は心配気な面持ちで俺を見る。
 だが、俺は笑顔で答える。すべての答えを……

「次はどこに行こうか、ってことだけどなっ!」
 

<Realy now ture over  (^^;;>
 
 
 

後書き

 さて、なんだか恒例のいいわけです。(笑)
 今回は使用されることを主目的で書いています。(爆)
(必殺!仕事鬼は使われるとはあんまり思ってなかったので……編集長〜(泣))

けっけっけ

 今回のSSのコンセプトの一つは、かねてより考えてあったネタの一つ『生命の石』です。
 たねあかしはSS内でやっています。まぁ宝物ってのは大げさかもしれませんが。
 しかし、安定して塩の取れる塩湖ってのはかなり希少であり、岩塩の鉱脈はそれなりの価値はあるでしょう。
 塩の質(ミネラル含有とか塩化ナトリウムの純度とか)は明記していませんが。

 もう一つのコンセプトは「必殺!仕事鬼」で溜まったフラストレーション……『琴音ちゃん萌え〜』(爆)
 というわけで実は「必殺!仕事鬼」を掲載して頂いたときには、すでに書き始めていました。

 では、何故これだけかかったかというと……つまったんです。(笑)
 遺跡の部分で、岩塩の鉱山であるという点とトラップ満載が矛盾してしまったのです。
 鉱山がトラップ満載な訳無いし……でも危険な目にあって欲しい、と。

 前にも書いた通り、キャラは自分で動いてくれます。しかし場面の設営は私の仕事です。
 それでかなりの時間悩み、出した結果が……というわけです。
 しかし……うーん、自分の無能ぶりが良くわかる。(苦笑)
 ツッコミもあるでしょうが、とりあえず勢いでってことで……ごめんなさーい(泣)

 ちなみに、その他はたぶん丸一日程度で作成しています。
 

 今回の舞台は大陸の内陸部であり、乾燥気候であるという必要最小限以外は特に設定していません。
 オリジナルキャラは名前すらありません。(笑)
 肉付けとか変質させるとかは私は不得意なのです……はう〜(泣)
 

 今回のヒロインの琴音ちゃん……苦情受け付けます。(爆)
 まぁエンディングほどじゃないにせよ、ちょっと違和感はあるかな?と思いますが、
 これが私的な琴音ちゃんのその後、ってぇことでご容赦ください。
 

 浩之のセリフ……クサイですかねぇ(笑)
 多少、私の死生観の影響を受けています。ですので「それはちがうんじゃねぇの」と思われる方も居られるでしょう。
 しかしコレはコレとして、認容頂きたいと思います。
 

『来須川魔導博物館』

 割と気に入っています。なんとか東鳩キャラ全員登場しましたので。
 レミィと雅史がちょっと苦しかった……ので登場は一番最後。(笑)
 芹香先輩の趣味が高じてってところで。何度でも使えそうですね、この設定。(意味深)
 ちなみに観光の一番人気は、世界中の占いを集めたブースです。
 さらには政治・経済界への影響も…………ふっふっふ……(謎)
 

 もし不評が少なければ、これの第二弾のネタをSS化しようかな……と思っています。
 気になるかたは、感想をどうぞ。(笑)

 第二弾の予定はギャグです。某所へあるものを取りに行きますが……って、まんまやん。(苦笑)
 ではでは、今度の宝物は珍しい植物です。その場所はおなじみの……って、ばればれやん。(笑)
 

 今回のBGM……某所よりダウンロードした、ぱすチャ全集。男女でぇダンジョンデェト♪(爆)
 うわあああっ、ゆるしてくださいぃぃ……つかれてるんです、わし。(せやったらゆうなや)
 

 あと、推敲に多大に影響を与えて頂いたカワウソさんに感謝の意を改めて示させて頂きます。
 

 ではでは、現在大幅書きなおし中の次回作でお会いしましょう。(現在時点での予定……(爆))
 

編集言い訳(こらこら)

 今回のタイトルとリンクの名前はおいらがつけました。ツッコミはカワウソまで・・・

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