いぬいあきらです。長い話を最後まで読んでいただき、有り難うございます。
あとがきはあまり書かない主義なんですが(というかいつもは締めきりぎりぎりで書いてる余裕がない(笑))
今回はちょっと思い入れがあるので少しだけ書きたいと思います。
どうせ〆切も大きくオーバーしてることですし、ははは。タイトルと各話の副タイトルは、クリスマスに関連した言葉から取らせてもらいました。
主にクリスマスソングですが、話を読むときに口ずさんでいただけたらと思います。
「星に願いを」と同じく、四姉妹個別に耕一とのクリスマスを描いてみました。
ただ、「星に〜」が純粋に耕一との話だったのに比べ、今回は賢治が大きく出てきています。
第二話と第四話が特にそうでしょうか。
オリキャラも出て、いよいよ「柏木一家シリーズ」も一人歩きを始めたなと言う感じです。では、各話の解説。
@ 赤鼻のアズサ
これは作品中でも触れてますからすぐにわかると思います。
「真っ赤なお鼻の〜♪」で有名な「赤鼻のトナカイ」です。
作中で梓が言っている通り、この歌の主人公は「ルドルフ」君と言い、サンタクロースの橇を引く9頭のトナカイの9番目です。
初め、8頭立ての橇だったようですが、世界一有名なトナカイ、ルドルフ君が誕生したのは、アメリカのある六歳の女の子の言葉が始まりだったと言われています。
美談なので、その手のサイトには結構紹介されています。
さて、話の中身ですが。
「風邪引き梓」は一度やってみたかった話でした。
わたしの好きな「あ〜ん」も出来ました(爆)
梓、やっぱり可愛いですよね〜。梓の魅力は強気と従順のギャップだとどなたかがおっしゃってましたが まさしくその通りだと思います。
トナカイ、と言うよりは、忠犬ハチ公的な話ですが(笑) 梓ってそんなやつだよな、と思ってくだされば 幸いです。
A 賢治の贈り物
この題の出典はクリスマスソングではありません。
おそらく世界最高の掌編小説作家O・ヘンリーの、有名な作品の題から取りました。
おそらく誰もが一度は読んだり聞いたりされたことのあるはずのお話ですから説明不要と思いますが、「愛し合う貧しい夫婦が互いへのクリスマスプレゼントを買うために 夫は妻の美しい髪のために自分の自慢の時計を売り、櫛を買い 妻は夫の自慢の時計のために自分の美しい髪を売り、時計鎖を買う。 お互いのことを思うあまりに、プレゼントはすれ違ってしまったが、 二人の愛はいよいよ強まるのであった」
そんなお話です。思い出されましたか? 「賢者の贈り物」ですね。
で、話の中身ですが。
上記の話とはまったく関係ありません(笑)
珍しくオリキャラが出てきます。
蒲池芹菜(がまち せるな) ちゃんです。初音ちゃんの同級生という設定で、親父さんの蒲地さんは商工会の会長をしている関係で柏木家との古い繋がりがあります。
ちなみに、この「がまち せるな」なんぞという妙ちくりんな名前はアナグラムです。
しかし名前元となったキャラとは違い、芹菜ちゃんはスポーツ万能でしゃきしゃきした現代っ子です。
純真爛漫な初音に俗世間のいろんなことを教えながら、初音にはそのままでいて欲しいと思っている面倒見の良いお姉さんタイプ、でしょうか。
今後出番があるかどうかは神の味噌汁……じゃなくて(^^;) 神のみぞ知ると言った所ですがとりあえず、お見知り置きを(こんないい加減でいいのかな)
B いとしこのよる
この話が一番難産しました。
初めは、定期券を探しに警察に行って、そこで定期入れに挟まった耕一の写真を婦警さんにみられ
「良いクリスマスをね、柏木さん」 と冷やかされて楓ちゃんが真っ赤になるという話を考えてましたが地味すぎるので没。……そこから難産が始まりました。
楓ちゃんに公園で絡んでいる奴らの設定が二転三転。
初めはAVの勧誘(爆) 次いでコ●ケのコスプレの依頼(猛爆)
ロリコン親父、学校の同級生、正真正銘の軽薄ナンパ野郎、不良警察官……
結局、今のスタイルに落ち着いたのが年が明けてから(^^;)
そこからは、結構順調にいきました。
それにしても、楓ちゃんは動かしにくいです。 感情表現がすごく微妙な子ですから……
「最果て」や「にわか」にいます「楓使い」の皆様の力量をすこしでもわけていただきたいものです。
タイトルは、「きよしこの夜」からです。
C もろびとこぞりて
タイトルはもじっていません。英語だと「Joy to the World」 有名な曲です。
この話だけ三人称方式で進めました。
初めての試みだったのですが、思ったより書きやすかったです。
賢治とのクリスマスの思い出がテーマになってます。
足立さんは個人的にとても好きなキャラなので、また機会があったら出したいです。
ここでもオリキャラ登場。 千鶴さんの専属秘書「藤原 志乃(ふじわら しの)」さんです。
どういう人かは本編で解説してますからまた書きしませんが、イメージだけは早い段階で固まっていた人でした。千鶴の頼れる相棒、というより姉的存在でしょうか。
この人の過去もいろいろと設定を考えてはいるのですが、今回は話がそれるので書きませんでした。
またいつか、出せたら良いなと思っているキャラです。
もともと、この話を思いついたところから、この「Santa Claus〜」は始まった企画でした。
四つの話の内一つだけ、といわれたら、これを読んで下さいとお願いするでしょう。
出来の良さというより、この話のテーマに一番触れているのが当話ですから。
もろびとこぞりて というこのタイトルにも、一応意味を込めています。
この歌の続きをご存じでしょうか。
「もろびとこぞりて 主はきませり」
こう続くんです。
賛美歌ですので、この「主」はイエスキリストの事なのだそうですが、
ここでは千鶴さんのことを意味させようと考えました。
ラストで「もろびとこぞ」っているのがその証拠です。
みんなで千鶴さんを迎えよう、という意味にでも取っていただければ充分です。タイトル 「 Santa Claus is coming to… 」について
これも有名なクリスマスソング 「Santa Claus is coming to town」(邦題:サンタが街にやってきた)から取りました。直訳すると「サンタが…にやってきた」でしょうか。
サンタがどこにやってきたのかをわざとぼかしてあります。
この話の大きなテーマはそれなんです。
サンタは誰なのか。そしてどこに来たのか。何をくれたのか。
この話を読んで下さった方にそう問いかけるように、タイトルをつけて見ました。
最後まで読まれた時に答えがおわかりになったとしたら、この話もとりあえずは成功と言えそうです。さて、ちょっとだけと言ったはずのあとがきも長くなってしまいました。
今回はこれにて失礼したいと思います。
長々とお付き合いいただき、誠に有り難うございました。
また次回も、いぬいあきらのSSを読んで下さると嬉しいです。
(一言でも感想を下さると、もっともっと嬉しいです)ではまた。