頬に手を触れた。
 由綺への気持ちがあふれて、その気持ちのままに俺は由綺を抱き寄せる。
 そして、そのまま……

 がたっ

「あー」
「あ……」
「え、英二さん?」

 いつの間にか俺達の近くに英二さんがいた。

「あ、いやいやいや、俺のことはいいから続けて続けて。邪魔なんて無粋なまねをしようとは思わないから」
「ちょと兄さん!!どうして出ていっちゃうのよ!」
「り、理奈ちゃん?」
 
 なんとそこには理奈ちゃんまでいた。
 
「せっかくいいところだったのに!!由綺のラブシーンなんてもう見られないわよ。もう、せっかくビデオまで……」
「こ、こら、理奈……」

 理奈ちゃんがはっと口を押さえたけどもう遅い。

「……理奈ちゃん?」
「英二さん、これはどういいことですか!!」
「いや、まぁ、その、なんだ。ちょっとしたいたずら心だ青年。そんなに怖い顔してたらしわが増えるぞ」
「そういう問題じゃありません!!」
「おっといけない。人に会う約束をしていたんだ。それじゃ」

 かみ合っていない会話を残して英二さんは逃げていった。

「何だったんだ?一体……」

 ついでに理奈ちゃんも姿がなくなっていた
 
 

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