ホワイトアルバムで電波劇場 しゃむてぃるさん
はい、それまでよ
屋上には由綺がいた……
「冬弥くん……ごめんね……」
後ろから俺を抱きしめる由綺。
「…由綺」
「うん……」
「屋上とそのセリフで、後ろからぐいぐい押さないでくれる?」
「そこのフェンスは壊れているから……永遠に一緒だね」
助けて〜(←自業自得)
弁解の余地なし
屋上には理奈ちゃんがいた……
「冬弥くん……」
「理奈ちゃん、送信した?」
理奈ちゃんは、にっこり微笑み言った。
「そういうことは、私以外には言わないほうがいいわよ」
あいかわらず、可愛いがさらっとキツイ……
女性にも煩悩はあります
屋上には美咲さんがいた……
「冬弥君……」
「美咲さん」
美咲さんの表情には軽い驚きの色と深い自責の色が見える。
「駄目…由綺ちゃん頑張っているのに……」
「………」
「私も、思ってなくはないけど……」
「……うん」
「確かに、屋上に人気は無いけど……」
「はい?」
「でも、もっとムードのあるところがいいと思うの」
「あのー、美咲さん?」
「私だって女だけど…って私、はしたない。でもでも…」
美咲さん、受信しちゃっている……
どーゆー反応をしろと?
屋上にははるかがいた……
「冬弥、届いた?」
「ああ……」
「なにが?」
「…………」
「…………」
「はるか、楽しいか?」
「うん」
そんなにうれしそうに言われても……
自分で考えてよっ
屋上にはマナちゃんがいた……
「あ!」
「やあ、マナちゃん。電波が…」
がこっ!
ぐおおおおおっ、何故……
さあ?
屋上には弥生さんがいた……
「…冬弥さん、なにか御用ですか?」
「え? いや、あの…」
「特段用が無いのならば、失礼させて頂きます」
そういって去っていった。
「俺って……何?」
由綺の時よりいやだぁぁぁ(冬弥)
屋上には彰がいた……
「冬弥、届いたんだね!」
「彰? 何故ここに?」
「いままで言えなかった想い、やっと届いた!」
「お…おい、彰」
「さあ、さっそく愛し合おう!」
……おーい助けてくれ〜(泣)
危うきに近寄らず
屋上には英次さんがいた……
「ああ、良い眺めだね……」
「あ、あの英次さん…」
「そうだよ理奈、二人の能力でこの無能な愚民どもを支配してやろうじゃないか!」
「もしもし?」
「そうすれば、兄妹だからって誰にもとがめられないんだよ…」
当然だが、理奈ちゃんはそこにはいない……
この人には近寄らないほうがいい。本能的な恐怖を感じて俺は逃げた……