*あとがき*

 現人鬼(あらびとおに)ブルース2 『鬼子母神』 如何でしたでしょうか。YISANでございます。

 前作発表から5ヶ月、今回の主役は柏木4姉妹の次女、梓です。
 「痕」本編ではいまいちぱっとしない梓、そんな薄幸の彼女にスポットをあてる本作は、実は第1作の執筆中には構想が浮かんでおりました。
 一番のクライマックス、ご神体をぶち壊すシーンがそうです。このシーンを書きたいがために必死になってこのSSを書き続けてました。
 読んで頂いた方々が、手に汗握って頂けたかちょっぴり心配です。

 柏木梓・・・4姉妹の中で彼女ほど一番「女の子」してる女の子はいないでしょう。現実感のある女性と言った方がいいかもしれません。
 恋愛に一番臆病なのも彼女ではないでしょうか。それは他の姉妹へのコンプレックスが根底にあるんじゃないかと思っています。つまり、自分自身に自信が持てないんですよね。けれどもそんな彼女が自信を持ったら・・・こりゃ、怖いな。
 楓ちゃんはかわいそうな役になっちゃいました。もっともこのSSではヒロインを食っちゃった感じもしますが・・・。
 かおりは今後、どうなるんでしょうか。まっとうな人生を歩んで欲しいなあ。
 脇役で出た由紀と美和子。おわかりでしょうが「雫」の生徒会役員の二人です。本作でも最後は悲惨な目にあったようで、ご愁傷様です。
 顧問の橋本先生は「ToHeart」からです。本作でもチョイ役、かわいそうに・・・。
 

 この「現人鬼ブルース」、コンセプトは「かっこよさ」だった訳ですが、自身としては結構満足出来る仕上がりになったと思っています。
 ただこのシリーズ(とうとうシリーズになっちゃいましたが)、単に「かっこよさ」を求めているのではありません。
 本シリーズで私が書き上げたいものは「愛し合う者たちの切なさと苦悩」なのです。
 それを「鬼の血」という材料を使って、「かっこよさ」という調味料で味付けをして、1品づつこしらえる。
 フルコースが出来上がるのがいつになる事やらわかりませんが、気長に料理していこうと思っています。

 1作目の後書きで触れていますが、このシリーズは「痕」本編のどのシナリオエンドに続くものでしょうか。
 答えをいうと、4姉妹すべてのHappyEnd後のお話となります。
 つまり4人の女性、一人に一つのお話となる予定なのです。その手始めが今回の梓が活躍する本作です。
 そして、1作目の耕一の章は4姉妹どのお話ともリンク出来るようになってます。
 鬼の血を引く柏木の人達の抱える苦しみ、悲しみ、葛藤、恐れ、前世の想い、愛情、それゆえに苦悩する男と女。
 私の力量でどこまで表現出来るかは自信がないのですが、私なりの思いをぶつけていきたいものです。

 本作を読まれて、あれって思われた方もおられるでしょう。舞台設定が樹さんの「夏光」にそっくりではないのかと・・・。
 非常に影響は受けております。ですが、あちらの世界とは別物ですので混同されないようお願いいたします。樹さん、ごめんなさいね。

 本文中で美和子が鬼子母神について述べている箇所がありますが、あれは実際に神話として残っているお話です。
 ここはほぼ全文を、新紀元社のTruth In Fantasyシリーズ「鬼」より抜粋しています。
 このシリーズは読んでもおもしろく、また資料性も高いものなのでお暇な方は是非、ご一読を・・・。

 では、スペシャルサンクスです。
 いぬいあきらさん。初期の校正でお手伝いして頂きました。生粋の梓者である彼は心強い味方です。
 たーさん。元、ストーリーメーカーと名乗られていた彼は私の古い友人です。パイロット版のチェックをお願いしました。
 本作ではありませんが、
 HUTEさん、kenziさん。1作目ですばらしいイラストを頂きました。この喜びが2作目の製作のエネルギーとなってます。
 そして、
 カワウソさん。最果ての地の家守、鬼の編集長。あなたのツッコミがあってこそ、この作品は完成度が増したのです。
 最後に、
 最果ての地。レベルの高いSSを数多く輩出しているこのHPで発表出来る事に感謝の気持ちを。

 さて、時間となりました。
 読者のみなさま。SS書きは感想を主食としています。栄養失調にならないよう是非とも感想を恵んで下さい。それが次回作の糧となります。
 それでは、次回「 現人鬼ブルース3 『影法師』 」 で、またお会いしましょう。 いつになるかは神のみぞ知るですが・・・。
 
 

2000年2月下旬
「スターシップ・トゥルーパーズ」を観ながら
 

本編

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