後書き 

 最後まで拙い文章をお読み下さり、まことにありがとうございます。 
 これにて、「柏木耕一の事件簿其の一 新たなる狩猟者編」は、一旦の閉幕とさせていただきます。 

 さて……ぼくがそもそもこうして痕の二次創作を書いてみようと思った原因には、やはりこの「最果ての地」にある二次創作小説の大群、とりわけ、樹さんの「凍った時」が多大な影響を及ぼしたであろう事は、皆様なら想像するに難くないと思います。 
 一年半程前、「痕」の底無し沼に完全に嵌まってからずっとインターネットで様々なHPを探索し、ひょんな事から電脳空間の果てに迷い込んだ時、この地を発見致しました。 
 それから一週間、学校の春休みにかこつけて、これ幸いとばかりにパソコンの前に釘付け状態になって洗いざらいの二次小説を読み漁り、衝撃を受け、悲哀を覚え、ただひたすらに感動したのを、今でもはっきりと思い出せます。 

 ほぼ同時期に小栗さん作、「夢の残滓」を読む機会に恵まれた事もあり、それ以来完全にインターネットでSSを探す事に夢中になりました(似たような状況に陥った方、たくさんいらっしゃると思います(笑))。 
 もしかしたら二年あまり前、なにげなしにパソコンショップの片隅にあった「痕」を手に取ったその瞬間から、こうなる事は決定していたのかも知れませんね(笑)。 
 そんなぼくが、こうして今度は見る立場から書く立場に移るなど、その時は想像もしていませんでしたが……。 

 ともあれ、あの時ここに出会わなければ……いえ、Leaf、という名の世界に出会わなければ、今のぼくはなかったでしょう。 
 この作品は、その感謝の意味も込めて、今出来る精一杯の力を持って創り上げたものです。 
 描きたかったのは、家族の絆です。 
 まだまだ実力不足で、全然それが読み取れませんが……。 
 ほんの僅かでもあの柏木一家の絆を感じて下されば、望外の喜びです。 
 もっとも、何故か戦いに焦点が絞られてしまいましたが……(苦笑)。 
 やはり、「痕」はノスタルジックな感覚が大切、あまり無粋な事をするものではありませんね。ネットのSS群の中で、戦闘描写にこだわったものがあまりなかったので、それならばと思い細かく描写してみたのですが、失敗でした。 
 次は、もっと郷愁感を大事にしたいものですが……ぼくの実力では、厳しそうです。 

 では、ここで作品内では語り切れなかった補足事項を……。 

 まず、上で家族の絆を……というふうに書いていますが、ここで言う家族の定義は…… 
柏木四姉妹+耕一の、五人の事です。 
 そうです、柳川は違うんですね。 
 この作品における彼のポジションは、他五人とは少し違い……まあ、例えていうならば耕一達『家族』に対する『親戚』のようなものですか。 
 ですから、定義的には彼は別に『家族』というものを持っており、耕一達の様子を時々見に来る親戚の叔父、といった感じになっています(いまいち曖昧な表現ですが……) 

 それと、作品中で幾度か『あの夏の事』……つまり、本来の痕本編に触れる断片が出てきますが…… 
 前書きで申し上げた通り、多少『本物』とはあの夏の事件の内容が違っておりますので、もしも矛盾点や疑問点がありましても、その点については『気にしないで』下さい(笑) 
 なにせ、作者が深く考えずに書いたようなものなので(伏線を張ったりするの、苦手なんです)、食い違いがありそうなので……何か指摘される前に、先にここで白状しておく事にします(苦笑)。 
 まあ、いつかは幻の『其の零』を書く事が出来れば……などと考えていますが。 

 あと、由美子さん登場は単なる読者サービスという奴です(笑)。 

 他にも御意見、御質問、御感想、誤字脱字粗探し、コンピューターウイルス、メールボム、毒電波、呪い、鬼の力などなど、多々あるかと思いますが、どうか狩猟者だけはご勘弁を願いたいと思ったりしつつもそんなもんがあるなら見てみたいとちらっと考えたりもしてしまったりでもやっぱり怖いからやめていただきたいと謝罪致します(爆) 。 

 最後に……こうして若輩者に発表の場をお与え下さった編集長カワウソさん、及び、多方面から「書いてみろ」と後押ししてくださった方々に、心よりの感謝を申し上げます。 
 どうも、ありがとうございました。 
 そして、「最果ての地」二周年記念、おめでとうございます! 

 ぼくも、今までもこれからもずっと、「痕」が大好きです。 
 
 

1999.11.11 星海の旅人

 
 

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