パロ時 その八  YISANさん

 

ナニをみている (陽の章十一話)

「……アレが、あたし達と同じなの?」

 俺が座ると梓は顔を上げ、ゴクッと喉を鳴らしながら真っ赤な顔で聞いた。

「そうだ。制御出来ないと、アレが暴走する」
「…あんなのが、暴走(ポッ)」

 顔を両手で覆い身悶えした梓は、ホウッと呟いた。

  ………………梓、おまえいったい何を見ていた?

 

 

ナニを見てたの? (陽の章十一話)

 

「千鶴姉、見た事なかったの?」

 驚いた様に、梓は千鶴さんを覗き込んだ。

「え?それは、その、手で触ったりもしたから、でも、アレの半分くらいだったわ」
「ハ、ハ、…アレの半分、…ね」

 千鶴さん、しっかり見てたんですね……
 ってなにを話しているんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

  

 

こっちの方が効き目あります  (陽の章十三話)

 

 楓ちゃんは、キッと顔を上げ。

 「行かせません!」

  そう宣言し、俺を射ぬいた瞳と共に決意の強さを表す鬼気が、俺の周りで白い壁となって渦を巻く。
 舞い上がる粉雪のなか、楓ちゃんのスカートもひるがえった。
 その中に見えたのは……

 俺の決意はあっさり崩れた。

 

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