時パロ その五
真相はいかに?
(凍った時 終章) れに俺の前に好きだったのが、親父だっただけで、俺だって恋愛の一つぐらいは……
……ええと
……うーん、
………………なかったかも。(泣)
言ってはいけないこと
(夏光 二章)「…まだ二十七だし、国立大卒で女生徒にも人気があるらしいんですけどぉ。御姉様とお似合いですよねぇ」
「梓の方が男前だな」
げしっ
今度は命中した。
間奏 裏
(夏光 間奏)「くっそうぉ〜、あの野郎、抜け駆けしやがってぇ〜」
岩影で柴田がいいががりにもならない事をぐちりながら二人を覗いていた。
なにやらぶつぶつつぶやきながら、岩影に身を潜めている(つもり)の筋骨隆々男。
暑苦しい割に何か寒さを感じるのは気のせいか。
「のぞきはいけませんよ」
男子校の監督がその後ろを通り過ぎていった。
「あのっ!すいません!!」
やたらと暑苦しい声に二人だけの世界は破られ、耕一はむっとした表情を、千鶴は無表情ながら殺気を込めて声の主を振り返った。
もちろん柴田だ。
「う、え、あ、いや、あのですね。
夕食の準備がそろそろできますから、いらしゃってはいかがでしょうか…」 柴田にしてみればなんとか耕一の邪魔をしようとしたのだが、予想に反して千鶴の方ににらみつけられ、腰が引けている。
千鶴の殺気を受けながらもそれでも逃げ出さずに踏みとどまっているのはそれなりに立派と言えるかもしれない。
全くの無駄だが。
「そうですか、わざわざ有り難うございますね。」
殺気を込めたのは一瞬のこと。もう営業スマイル全開の千鶴がにこやかに答える。
言葉の端々に敵意のような物が混ざっている気もしなくはないが。
「行こうか千鶴さん」
千鶴が切れかかってしまっては怒るわけにも行かず、同じ男としても柴田が哀れになり耕一は苦笑気味に声を掛けた。
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