時パロ その四
懲りずにカワウソ

 

命知らず (タオの章三部、二の章)

「美冬」

 飲み干したジュースの缶を地面に置き、耕一は静かに呼んだ。

「俺の女になれ」

 その瞬間、複数の殺気が耕一に向けられた。

 

「お前ら…(怒)」(by耕一) (タオの章三部のどっか、←おい)

「ま、さっきの話だけど。私が千鶴で、親戚が耕一や梓だと、私から会社取り上げようとするわね」
「あたし達はそんな事しないよ。それに耕一が千鶴姉から取れる物取ろうとしたら今の方がいいんじゃないの?」

 美冬は少し考え込む仕草を見せてから、納得したように頷いた。

「結婚詐欺か」
「そうそう」

 

それは言わないお約束 (タオの章三部、十の章)

 美冬は耕一に冷たい視線を向ける楓の肩を叩くと、一緒にソファに腰を下ろした。

「楓、許してやりなさい。男なんて、こんなものよ」

(耕一さん、私のことあんな目で見てくれた事なんてないのに)
 どうやら、美冬の見立ては間違っているらしい。

 

大人の会話 (タオの章三部、十の章)

「あら、試してみる?」

 媚を含んだ視線を耕一に送り、美冬はシャラッと言って退ける。

「浮気はしない主義でね」

 性欲で命の危険を冒すつもりはないと耕一もあっさり答える。

「浮気じゃなきゃいいのよ」
「あいにくと、売約済みなんでね」

 あまりにらしくない会話に千鶴と楓はぽかんとそのやりとりを見つめていた。

 

 

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