贄パロ その二  YISANさん

 

異世界からの侵略  (贄 序章)

 

「急いで帰らなきゃ。初音ちゃん、今のことをみんなに知らせよう」
「耕一お兄ちゃん・・」

さっきより耳に近いところから、初音ちゃんが話しかけてきた。

「うん?」
「お兄ちゃん、あの光は・・・・えいえんのせかい」

 うわごとのようにつぶやく声。

「・・・・だよもん星人・・」
「初音ちゃん!! それは、世界がちがうんだよ。ここは『葉っぱ』の世界だもん。」

って、アレ?

 

 

持つ方も持つ方なら、判る方も判る方だ (贄 一章)

 

「よかった・・探しに行くところだったんですよ」

 千鶴さんだ。
 ごめん、と言いながら俺は目を細める。

「・・明かり、下に向けてくれないかな、千鶴さん・・」
「あ・・ご、ごめんなさい。ほっとしたものですから・・」

 すっ、と光が下を向き千鶴さんの姿がぼんやりと見えた。
 迷彩服に身を包み、左手に大型マグライト、右手にM60中機関銃(ランボーが持ってた奴か?)、手榴弾のいっぱい付いたジャケットを羽織り、その背中にはRPG7歩兵用対戦車ミサイルまで見える。

 俺は一言つぶやいた。

「・・・・今度は戦争ですか?」

 

 

何はともあれ腹は減る (贄 二章)

 

 初音ちゃんは今朝、俺は親父に似ていると言った。
 当然だ、親子なんだから。
 そう思って、自分の言葉にはっとする。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・おでん・・・!

 おでん・・だし汁の中で具をことこと煮るモノ。はんぺん、大根、ちくわにたまご。
 俺の好みは、千鶴さんが言った通りおでんだ。だとすれば・・・親父の好みもおでんだと言うことになりはしないだろうか?

 柏木の血に隠された謎。・・・・おでん好きの血脈。

 俺はこの厳然たる事実に我が身を捩り、腹の虫を押さえる事しかできなかった。

 

 

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