栞篇 しゃむてぃるさん
一度目
あゆと遊歩道に出てきた時、あゆは木にぶつかってしまった。
そのせいで落ちた雪で、見知らぬ少女がこけてしまった。
「おい、大丈夫か」
「・・・・・・・」
少女は終始無言だ。
この髪型・・・この無言っぷり・・・
「柏木家の三女か?」
「せかいが違うよっ」
あゆ、お前も何故知ってる・・・
三度目
「雪合戦しませんか?」
中庭で2度目に栞に会った日。
栞は突然提案してきて、雪玉を作り始める。
「裕一さん」
「何だ?」
「雪玉に電波入れていいですか?」
「・・・何でだ?」
「その方がエキサイティングですから」
「入れるなっ!」
「残念です」
その前にどうやって入れるんだよ……
四度目
「ここに来る理由ですか?」
中庭で会うこと3度目、俺は疑問に思っていたとを栞に聞いてみた。
「実は私も良く分かりません」
栞は一瞬だけいつもとは違う顔を見せ、言う。
「電波に誘導されて来ている・・・というのは駄目ですか?」
それはあぶねぇって・・・
食堂の怪人(電波なし)
栞と学食で昼食にすることにしたのだが、量が多すぎて食いきれなかった。
「いや、もう食えないって」
「大丈夫です。カレーライス8杯ぐらい食べれますよ」
「どこにいるんだ、そんなやつ」
「いますよ、お代わりで食べる人」
「たしかにな……」
と思いつつ、二人して食堂の一角にある空のトレイの山と、その隣の先輩を見る。
「おかわりだよ〜」
春になれば……(電波??)
栞との商店街でのデートの最中。
5000円になっている人形を見て……
「持ち主が呪われる呪いの人形だったりしてな」
「そういうの、かっこいいです」
「そうか?」
それを見つめる影一つ……
その影は巨大な三つ編みを二つ持つ、女の子である。
「まだトラップは大丈夫です……」