*あとがき*
 
 現人鬼(あらびとおに)ブルース。如何でしたでしょうか。
 この作品は、私にとって初の短編読み切りSSとなります。以前から構想として持ってはいましたが、まさか自分がこのようなSSを書く機会が訪れようとは思っていませんでしたので、こうして日の目を見
る事が出来てまさに感無量です。
 さて、このタイトル。ピンときた方もおられるでしょう。あの菊地秀行先生の「マン・サーチャー」シリーズ、魔界都市ブルースが元になっています。もしご存じ無ければ、一度読んでみてください。かっこいいですよ。もちろん、私のSSはこの作品には及びもしませんが、少しなりとでも雰囲気は出せたのではないかと思っています。

 ここで、ちょっと解説。
 現人鬼(あらびとおに)、これは私の造語ですが元となる単語はあります。現人神(あらひとがみ)……人の姿となってこの世に現れた神(新明解国語辞典より)、つまり現人鬼とはこの世に人の姿となって現れた鬼なのです。 しかし、ただの鬼ではありません。鬼の姿とならず人として鬼の力を使う事が出来る者を現人鬼と呼ぶのです。鬼に飲み込まれ鬼の姿と成り果てた者は、もはやただの鬼に過ぎません。
 本編の主人公、現人鬼耕一は不完全な鬼を抱えたまま何処へ行くのか。完全に鬼を制御する事が彼には出来るのか。それは謎です。そしてこのお話がどのシナリオのEND後になるのかも…。皆さんでも考えてみて下さい。
 
 続編は今のところ白紙ですが、気分屋な私の事いつかまたお目に掛かる事もあるでしょう。だって現人鬼は耕一だけではないのですし……。
 最後に、このSSの発表の場を与えてくれた最果ての地と監修で多大のアドバイスを頂いたカワウソ氏に感謝の言葉を。
 

1999年9月中旬
「プライベート・ライアン」を観ながら
                                                               
YISAN

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